行政書士とは?試験概要・試験内容・メリットまで徹底解説!
法律の専門知識を武器に、行政手続きのプロとして幅広い業務に携われる行政書士。
独立開業が可能で、安定した需要がある国家資格として、多くの社会人・学生から注目されています。
この記事では、行政書士とはどんな資格なのか、試験概要・試験内容・難易度、取得するメリット・デメリット、勉強方法、独学の可否までをわかりやすく解説します。
行政書士試験は法律科目が中心で難易度は高めですが、計画的に学習すれば未経験からでも十分に合格可能です。これから資格取得を目指す人が知りたいポイントをまとめているので、行政書士の理解と学習計画づくりに役立つ内容になっています。
目次
行政書士とは
行政書士は、行政書士法(昭和26年法律第4号)に基づく国家資格者で、他人から依頼を受けて報酬を得ながら、官公署に提出する許認可申請書類の作成や提出手続きの代理、遺言・契約書・事実証明書類の作成、さらには行政不服申立てなどの手続きを代理する専門家です。
制度としては、行政書士は国民の生活と行政を「つなぐ橋渡し」として重要な役割を持っています。社会が高度化・複雑化する中で、個人や企業が行政に提出しなければならない書類の内容や手続きが増え、それらを正確かつ迅速に処理できる専門家としての行政書士の存在が非常に重要視されているのです。
業務形態も多様で、単なる「代書(書類作成)」だけでなく、許認可取得のコンサルティング業務や行政戦略のアドバイスなど、高度な専門性を求められる分野へ変化してきています。
また、行政書士は都道府県ごとの行政書士会および全国統一組織である日本行政書士会連合会に所属する形で制度運営がなされており、職業倫理・専門性の維持を図る組織がしっかりしています。
行政書士の試験概要
| 項目 | 概要 |
| 主催団体 | 一般財団法人行政書士試験研究センター |
| 試験形式 | 択一式及び記述式 |
| 試験日程 | 11月の第2日曜日 |
| 合格発表 | 1月下旬 |
| 合格率 | 10~13%程度 |
| 受験料 | 10,400円 |
行政書士試験は、一般財団法人行政書士試験研究センターが実施する国家試験で、例年 11月の第2日曜日 に全国一斉で行われます。試験形式は、法律知識を幅広く問う択一式(マークシート)と、応用力・文章構成力を試す記述式問題の2種類で構成されており、「知識」と「法的思考力」の両方が求められる点が特徴です。
合格発表は翌年 1月下旬 に行われ、合格率は 10~13%程度 とやや低め。決して簡単な試験ではありませんが、社会人でも合格を目指しやすい科目構成であることから、毎年多くの受験者が挑戦しています。
受験料は 10,400円 と国家資格の中では比較的受験しやすい水準であり、「法律系資格の入門」として受験する人も多いです。行政書士としての独立開業や、副業で契約書作成・許認可サポートを行う道も開けるため、コストパフォーマンスの高い資格と言えるでしょう。
行政書士の試験範囲
試験内容(出題範囲)
行政書士試験は、法律の理解と実務に必要な基礎知識を幅広く問う構成になっており、択一式(マークシート)と記述式を組み合わせて実施されます。出題範囲は法律系国家資格の中でも比較的広く、行政法・民法を中心に、政治・経済などの一般知識も含まれるのが特徴です。
まずは、科目ごとの内容と配点を一覧表にまとめました。
【行政書士試験:科目別の出題内容と配点】
| 区分 | 科目内容 | 出題形式 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|---|---|
| 法令等(基礎法学・憲法・行政法・民法・商法) | 法令の理解・条文知識・法的思考力を問う | 択一式(5肢択一) | 40問 | 160点 |
| 法令等(記述式) | 行政法・民法からの事例分析・文章構成 | 記述式 | 3問 | 60点 |
| 一般知識等(政治・経済・社会、文章理解、情報通信・個人情報保護など) | 社会常識・文章理解能力・情報リテラシー | 択一式(5肢択一) | 14問 | 56点 |
| 計 | 300点 |
合格基準
行政書士試験は、総合点の基準と科目別の基準があり、両方を満たす必要があります。
どちらか一方が基準に届かない場合は不合格となります。
【合格基準(足切りあり)】
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 総合点基準 | 300点中 180点以上(=60%以上) |
| 法令科目の基準 | 法令等の得点が 122点以上 |
| 一般知識科目の基準 | 一般知識等で 24点以上(14問中6問程度) |
試験内容の特徴とポイント
行政書士試験の出題構成には、合格するうえで押さえておきたいポイントがあります。
法律科目が全体の中心を占める
とくに行政法と民法の配点が大きく、全体の得点に直結します。
行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法などの行政法分野は対策必須です。
記述式で大きく差がつく
記述式3問は計60点と重く、採点も部分点がつくため、文章の構造化・要件整理ができると合格に近づきます。
一般知識は足切りのリスクが高い
科目別基準(24点)があるため、得点ゼロに近いと即不合格。
「文章理解(読解問題)」が点を取りやすいので重点対策に向いています。
幅広いが、学習の優先順位を付ければ戦える
法律系資格の中では出題範囲が広いものの、過去問の傾向が比較的安定しているため、効率的に学習すれば合格が十分狙えます。
行政書士資格取得のメリット
行政書士資格のメリット
- 独立・開業しやすく、自分の裁量で働ける
- 法律・行政に関する専門知識を身につけて社会的信頼を獲得
- 多様な業務と安定した需要がある
独立・開業しやすく、自分の裁量で働ける
行政書士は所持していれば独立開業ができる国家資格で、開業コストも比較的低いため、「自分の事務所を構えて働きたい」「副業として行政書士業務をやりたい」という人にとって魅力的です。TACによれば、許認可申請や法人設立支援、契約書作成などを業務として扱うことができ、依頼の幅も広いため収益化の自由度が高いです。
法律・行政に関する専門知識を身につけて社会的信頼を獲得
行政書士資格を通じて、憲法・行政法・民法・商法など法律知識を体系的に学べます。U-CANでも触れられているように、この専門知識は企業や個人からの信頼を得やすく、「行政手続きのプロ」として高い社会的信用を得られる点が大きな強みです。
多様な業務と安定した需要がある
行政書士は、許認可申請(建設業・飲食業・運送業など)、法人設立、契約書作成、遺言・成年後見、内容証明など幅広い分野をカバーできます。U-CANによると、中小企業や個人の起業支援、社会福祉分野などでも行政書士のニーズは依然高いため、安定した収入源を構築しやすい資格です。
行政書士取得のデメリット
行政書士取得のデメリット
- 合格難易度が高く、学習時間の確保が必要
- 開業してもすぐに安定収入を得られるとは限らない
- 扱える業務範囲に限界がある
合格難易度が高く、学習時間の確保が必要
行政書士試験は、毎年の合格率が10〜13%前後と低く、初学者にとっては決して容易ではありません。
とくに行政法や民法は条文・判例の理解が欠かせず、300〜600時間ほどの学習時間が必要とされています。仕事や大学と並行して勉強する場合、計画的な学習が求められます。
開業してもすぐに安定収入を得られるとは限らない
行政書士は資格があれば独立できますが、実際には「顧客獲得」が最大の課題です。
とくに開業初期は、
- 営業活動が必要
- 実務経験が乏しいと単価が上がりにくい
- 地域の商圏に左右されることがある
など、収入が不安定になりやすい面があります。
資格を取っただけでは仕事が自動的に増えるわけではなく、実務知識の習得や人脈構築が欠かせません。
扱える業務範囲に限界がある
行政書士は行政手続きの専門家ですが、弁護士や司法書士とは業務範囲が明確に分かれています。
たとえば、
- 裁判での代理はできない
- 登記業務は司法書士の領域
- 税務代理は税理士のみ可能
といった制限が多い職種です。
そのため、「法律の専門家として幅広く活動したい」という人には物足りなく感じる可能性があります。
まとめ
行政書士は、行政手続きや契約書作成などを扱う法律系の国家資格で、取得後は独立開業や副業、企業での法務スキルの活用など幅広い道が開けます。試験は法律知識を中心に出題され難易度は高めですが、出題傾向が安定しているため、計画的に学習すれば十分に合格を狙えます。
開業には営業力や実務経験が必要になるものの、資格としての将来性・専門性は高く、「法律を武器にキャリアを広げたい」人にとって大きな価値があります。まずは試験範囲と学習方法を把握し、自分に合った形で準備を始めてみてください。
よくある質問
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法律の知識がまったくなくても行政書士試験に合格できますか?
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可能です。多くの受験者が法律未経験からのスタートです。ただし行政法・民法が中心となるため、基礎から理解する学習スタイルが必要です。
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どれくらいの勉強時間で合格できますか?
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目安は300〜600時間と言われています。社会人であれば半年〜1年の学習期間を見ておくと安心です。
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行政書士の独立開業は本当に可能?稼げますか?
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可能ですが、資格取得直後から安定収入を得るのは難しいです。開業後は営業活動・人脈づくり・実務スキルが大きく影響します。
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民法と行政法はどちらを優先して勉強すべき?
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行政法が最優先です。配点が高く、出題傾向が安定しているため、得点源になりやすいです。

